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過ちを冒さないために

「初めて耳にする骨の病気にとまどってしまい、あらゆる知り合いに聞きました。そして、民間療法の治療院に行ってしまったのです。」(女性会員の母親)

 

 娘は16歳になったばかりです。でも、13歳の学校での健診で側わん症を知り、今回紹介状を書いていただいた整形外科に診ていただきました。そこでは23度と診断され3ヵ月後に再受診するようにいわれて帰りました。初めて耳にする骨の病気にとまどってしまい、あらゆる知り合いに聞きました。そして、民間療法の治療院に行ってしまったのです。治療院の娘さんも側わんだというので同じ悩みをかかえている母親だと思い込み、通い始めてしまったのです。昨年の6月にその娘さんは31歳で亡くなりました。お風呂に入れるようになって一人で入浴中の心筋梗塞だったそうです。何度か会ってもいたし娘も話をするようになっていた矢先のことでした。治療院の方は心臓が弱っていたのは小さい頃からで、うちの娘にはあなたは大丈夫だから心配しないよう伝えてとしきりに言っていました。

 11月になって腰の痛みがあり診てもらおうと連絡したときに痛いのはあなただけじゃないのよと言われたことに不安を感じて、家族で話し合いをしました。以前何件か行った整形外科の先生に成長期が過ぎた ら手術を考えると言われていたこともあり、また2006年2月14日から2月18日に読売新聞の医療ルネサンスに鈴木信正先生の手術法や民間療法に対する 怒りが掲載されていたことも知っていたので、今までの甘えた弱い気持ちを捨てて、手術をしていただこうと覚悟して都内の総合病院に行き念願の鈴木先生にお会いすることができたのです。とても自分勝手な虫のいい話に先生が首を縦にふるはずがありません。あやめの会の方にすぐ合わせて頂き、話をさせて頂いたのには感激でした。先生との熱い信頼関係の糸が目に見えるようでした。とても素敵なお姉さんに娘もいろいろ話せる方が何でも聞いていいよとメールアドレスも 交換でき感謝感激で家に帰りました。

 問題はすべて母親です。根拠も何もない人の言葉に騙されて、主人の反対も聞かず、祖母の忠告も無視し、祖父に心配をかけ、娘を不幸にしてきたのはすべて私の責任です。どうか先生の手術を受けさせ てください。娘に罪はありません。先生に言われたことはすべて心に届いています。どうしたら信用していただけるか、あやめの会の方に相談したいと思ってい ます。これから私にできることは学校の保健の先生、校長先生に先日先生に頂いた資料を持って行き、話を聞いていただくつもりです。4月の健診の時に側わん 症の児童が見つかったら私と同じ過ちをおかすことのないようにいくらでも話したいと思っています。

 今私の知り合いで、中学2年で28度の側わんの 方がいます。できるだけ相談にのっていこうと思っています。きちんとコルセットをつけているとのことで、検診は必ず行っています。あやめの会のことは知っ ていたようですので、皆のメッセージを見て励みになっているようです。間違った選択をしないように望みます。

 ・・・ 3月に手術を終えて ・・・

 娘は今、元気に高校に通っています。今年になってからの診察でしたのにもう手術が終わり、もうこれ以上悪くならないとの精神的安定までも得られるなんて、本当に先生方に感謝しております。どれほど感謝しているか声に出しては言い尽くせません。

 今でも思い出します。手術後私は娘に「よく頑 張ったね」と声をかけました。すぐに返ってきた言葉は「私じゃなくて先生が頑張ったの。先生は天才」と言ったのには本当に驚きました。また、二日後はじめ て立つときに、娘が不安だったのでしょう。先生は「応援団を連れてきたから」と言って、少し前に手術した同じ思いをした二人のお姉さんを連れてきてくださ り、「頑張って」「もう少し」「あっ、立てた」と傍で声をかけてくださいました。娘の仲良くなっていた方に来て頂き、頑張らなくちゃと思ったに違いありま せん。先生が抱えて立たせてくださったこと、ゆっくり座らせて、「足に力を入れないで」「君は足の力が強いね」などとやさしく横にしてくださいました。本 当に愛情のあるやさしい様子に涙がこぼれてしまいました。先生と娘との間に信頼という強い絆を感じました。

 全力で治してくださり、これからもずっと診ていってくださるとの心強いお言葉、有り難く思います。私のできる事は、娘が不安や心配なことができたらすぐに先生のところに連れて行くことだけかもしれません。
手術を終えた子供達はもう一回りも二回りも大きくなって、自信に満ちています。

 

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