現在位置: ホーム 私の体験談 鈴木先生へ (K.Mさんのお母様から)

鈴木先生へ (K.Mさんのお母様から)

鈴木先生にはじめてお会いしたのは、昭和63年。中学一年生の時でした。 あれから31年。平成、そして令和を迎えた今、こうして親子共々元気に、健やかに 生活していることが有難く、あらためて鈴木先生に感謝の気持ちをお伝えしたく、 筆をとりました。

鈴木先生にはじめてお会いしたのは、昭和63年。中学一年生の時でした。

あれから31年。平成、そして令和を迎えた今、こうして親子共々元気に、健やかに

生活していることが有難く、あらためて鈴木先生に感謝の気持ちをお伝えしたく、

筆をとりました。

 

 あの当時、学校帰りに制服で通院していた私も、今では二児の母となりました。

私が手術をしたのが中学3年生の時でしたので、現在中学3年生になる長女と、

あの頃の自分を重ねては懐かしく思い出すことがございます。

 

 私は中学3年の1月に、鈴木先生に手術をしていただきました。本当でしたら、中学2年で手術を勧められた検診の中、何が何でも手術を免れたいと、私はコルセット治療を

続投。その結果、曲がりは極度に悪化し、手術を余儀なくすることとなりました。手術の恐怖感と不安で、あの日診察の帰り道、私は幼い子供のごとく号泣して母を困らせたことを、今でも鮮明に覚えております。ところが、鈴木先生は後々、その涙を「安心と笑顔」に変えてくださいました。

 

 常に私の悩みに寄り添ってくださる鈴木先生。長女が4歳の時、何となく娘の側わんが気になり先生にご相談すると、「心配なら連れてきなさい。」と、お言葉をいただきました。初診の結果、娘は43度の側わんでした。その度数は、私自身が手術した時とほぼ同じ度数でした。下を向き、涙を抑える私に、鈴木先生はこうおっしゃいました。

「あなたがめそめそしてどうするの!! 小さいうちは、骨が軟らかいし、

あなたとは違う曲がり方だから、ゆっくり装具で経過を診ていこう!!」

そう鈴木先生は力強くおっしゃいました。私に、パーンと檄を飛ばしてくださいました。

 

 こうして娘のコルセットの生活が始まりました。保育園に登園する時もコルセット。

園の先生方にも着脱時にはご協力いただき、夏のプール以外は常に装着する生活を送りました。3年後、小学一年生の時には16度にまで改善し、装具効果を実感しました。

しかし小学校高学年になると、度数は進行していきました。そして、中学二年になった頃、「夏休みに、手術しようか。」と鈴木先生。私はその瞬間、また、下を向いてしましました。ところが長女の発した言葉に驚きました。

 「え!手術したらもうコルセットしなくていいの?手術する!!お願いします!!」。
前向きで即決な娘のその姿に、私は号泣したあの日の時分に恥じらいを感じました。

 

 そして昨年の夏休み、九段坂病院に入院し、鈴木先生に手術をしていただきました。

手術は無事終わり、鈴木先生から手術の内容をお聞きした時のことです。

「上手くいったよ!!」と第一声が聞こえた瞬間、私は涙を隠せませんでした。

安堵のあまり、鈴木先生の手をとり「ありがとうございます!!!!」と力強く握手をしてしまいました。この時、あの日の両親の思いを感じました。私が手術をした30年前の

あの日の両親の思い。長い月日を経て、親になった今、娘への思い、そして鈴木先生への、深い深い感謝の思い、お伝えしきれぬ感謝の思いが、溢れ出てきました。

 

 幸いにも、娘の術後の経過はとっても順調でした。術後の痛みも少なく、あの当時の私と大きな違いをひしひしと感じては驚かされました。術後当時の私は、リカバリー室での数日間、一日がとてもとても長く感じるほど痛みは耐えがたく、辛いものでした。

ところが、娘は違いました。痛みはさほどなかった様子でした。術後翌日には立ち上がり、歩行器で歩く練習。トイレにも自分で点滴を転がしながら移動。目まぐるしいほどの回復力でした。あらためて、この30年の医療の進歩を目の当たりにした気がいたしました。

 

 私の術後はと言うと、石膏で固めた装具を半年間装着。その間の入浴は、半身浴。髪の毛は、その当時今では珍しくありませんが、シャワーが付いた洗面台で洗髪。その後、石膏からコルセットの装具に変わり、術後一年後に、装具は外れ、体育の授業に参加した記憶があります。ところが、娘の場合は、術後コルセットは約3カ月。のち装具なし。身軽になった娘は、洋服を楽しそうに選んだり、以前よりまして、明るく楽しそうでした。

「背中も痛くないし、傷口も痛くないよ!!」と娘の言葉に、30年前の自分とはまったく違う様子に、安堵の思い、そして鈴木先生への感謝の思いを抱かずにはいられません。

 

 このように、まさか親子で鈴木先生にお世話になるなんて、夢にも思いませんでした。

そして親子共に、「明るく健やかな生活」を鈴木先生からいただいたように感じております。

 

 先日、娘の術後9カ月の検診でのこと。

私は身を乗り出してレントゲンを見つめました。

術前の50度が思い出せないほど、今6度にまで改善されていたのです。

傷跡も日に日に薄くなり、痛みもまったくない、手術したのを忘れてしまいそう、と娘。

 

 「ほら、見てごらん!真っ直ぐだ!お母さんの時よりも医療が進歩しているのがわかるでしょう?スクリューは4本しか入ってないよ!」と、鈴木先生。

 

30年の医療の大きな進歩に驚くと共に、長い長い年月にわたり、側わんの治療をご熱心に研究し続けておられる鈴木先生に、心から深く感謝申し上げます。そして、今後とも   どうかお身体に気をつけられ、ますますのご活躍を心からお祈り申し上げます。

                                                                                                         令和元年5月26日 K.M.さん母

 

ドキュメントアクション