脊柱側弯症の話 - 装具治療が必要な方々のために (B-4 治療効果判定について)
東京都済生会中央病院 整形外科部長 鈴木信正
B-4 治療効果判定について
16゜の思春期側弯症の一人に対して何か治療的なものを行い、ただ単純に、その治療が効果があった、それによって進行が防げたのだからこれは治したのだと言うのは、完全な間違いです。
自然経過では、進行する確率は僅かに20%です。行われた治療が効果のあるものかどうかを判定をするには、同じ治療を30人、できれば100人以上に行っ て、進行した人の割合が何%か、それが自然経過の割合よりも統計学的に本当に差があるのかどうかという解析を行なって差がある、統計学的に意味を持って低 い、すなわち有意の差を持って低いという結果が得られた場合に、初めてその治療法は、効果があると言うことができる訳です。