脊柱側弯症・検診と事後管理をめぐる諸問題 - A8 おわりに
東京都済生会中央病院 整形外科部長 鈴木信正先生 (あやめの会会報1号(平成2年発行)に掲載された寄稿より)
脊柱側弯症・検診と事後管理をめぐる諸問題
東京都済生会中央病院 整形外科部長 鈴木信正
A-8 おわりに
せっかく検診が行われても、その後の指導が悪くては何もならない。学校によっては、病院の受診のために学校を欠席あるいは遅刻することを極度に嫌い、生徒の受診を妨げている所がしばしばみられることは驚きを禁じえない。
「学校が休みの時に病院に行きなさい」という教師が多数みられるが、側弯症では一定の期間を置いた定期的な診察が必要であるため、受診の便宜をぜひ図っていただきたいと考えている。
また、装具療法を行っているこどもでは、体育の時に更衣室がない、掃除の時に邪魔になる、あるいは級友からのひやかし等、学校内での装具の着用を続け難いものにしていることも、諸外国と比較して、わが国の現状が極めてお寒いものと言わざるを得ない。
側弯症に限らず、種々の疾患を真に理解し、一般の常識に適った指導により、児童・生徒の心身双方の発達を見守り、指導していただきたいと考える。